地球儀を回して世界100周

職場や旅先から世界をほんの少しだけチラ見してみる

ビール好きに悪い人はいない

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タイ旅行のお話最終回。

クラビ、ピピ島ときて最後は一大リゾート地として名高いプーケットだ。まず賑わいが違う。夜遅くなっても食べる場所や買い物する場所には困らないし、ジャングセイロンという大きなショッピングモールもあって、都会という雰囲気だ。プーケットタウンへ行くとシノポルトギーズのカラフルな建物が立ち並んでいる。お洒落なカフェもある。私が大好きなカオマンガイが美味しい店もある。

 

そしてプーケットで一番のメインイベントは体験ダイビング。

ずっとスキューバダイビングに憧れていた私はタイの海に潜ることをとても楽しみにしていた。

 

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(ほぼ誰か分からないけど私である)

 

ダイビングはもちろん素敵な思い出になったし、何なら本格的にCカードを取る決意をして最近動き出している。しかしそれに匹敵するぐらい面白かったのがプーケットの夜。ダイビングをしたコーラル島(ヘイ島)からホテルのあるパトンビーチに戻ってきた後だった。

 

パトンビーチにはバングラ通りという、夜は歩行者天国になる有名な通りがある。何が有名って、要は歓楽街である。通りの入り口に差し掛かると、いきなり見えるのは際どいコスチュームのお姉さんがポールダンスをしている店。通りを進むとドリアンみたいな服を着た客引きがいるわ、ニューハーフショーに出演するお姉様もいるわ、バンド演奏を聴かせるバーもあるわでなかなかなカオスの様相を呈している。クラビ、ピピ島と連日非常に静かな夜を過ごしていた私に取っては、幾分刺激の強い通りだ。あちこちで大音量の音楽が流れているので、耳からの情報がとても多いことに気づいた。普段からライブへ行くのが好きなので、歓楽街を歩くことには対して抵抗はない(ライブハウスは歓楽街にあることが多いので)。客引きからしれっと逃げる術も持っているし、新宿歌舞伎町なんてあの猥雑な雰囲気がどことなく落ち着くとさえ感じている。

 

というわけで決して歓楽街は嫌いではないけど、私としてはキレイなお姉さんのダンスを見たいわけでもニューハーフショーを見たいわけでもなく、とりあえず普通にご飯が食べたかったので静かそうなイタリアンの店に入ってカルボナーラを食べた。にんにくが効いていてなかなかおいしい。東南アジアでパスタ、特にカルボナーラを食べるとチーズの質のせいかハズレを引く率が多い中、この店のカルボナーラは当たりだと思った。

 

お腹を満たしてホテルに戻ると、入口で日本人の女の子に声を掛けられた。ホテルのオーナーと話しているところで、一緒に話しませんかとのことだった。

 

オーナーはトルコ人だった。バングラ通りや同じタイにあるパタヤがもともとベトナム戦争の頃に米軍の慰安のために作られた街という話から始まり、どういう訳か「日本は戦争でアメリカに負けたのに、どうしてそんなにアメリカが好きなんだ」と聞かれたりした(どうやらアメリカが嫌いらしい)。

 

女の子の方は私と同じ年頃で、職種は違えど海外で働いた経験があるところも同じだった。バックパッカー旅をしたことがあると言うので、いろいろと話を聞かせてもらった。タイはバンコクが東南アジア各地への玄関口となっていることもあって、何度も来たことがあるという話だった。話を聞いて、とりあえずエルニド(フィリピン)へは早く行こうと思った。他にもタイの北のほうとか、インドとか。あとイスラエルの話も面白かった。入国した形跡があると、イスラム教の国に入国拒否されるのが困ったところだけど、行ってみたい国ではある。こうやって話の中から次の目的地ができてくるのって面白い。インターネットやガイドブックを見ればいくらでも情報が溢れている現代だけど、やはり直接誰かから聞いた話ほど影響力の強いものはない。

 

そうこうしているとレストランを経営しているオーナーの友達がコンビニの袋を片手に帰って着た。乾杯だ、と言う訳で私も部屋からチャーンビールを持ってきた。かぼちゃの種を食べながら、どんどんチャーンビールが進む。日本で飲むとそうでもなかったりもするが、タイで飲むチャーンビールは最高である。ビールっていうのはその土地に会うようにできていると思う。例えば日本のオクトーバーフェストでドイツビールを飲むと結局日本のビールが一番美味しいという結論になりがちだけど、きっと本場ドイツのオクトーバーフェストで飲むとものすごく美味しいんだと思う。ちなみにタイのビールといえばチャーンビールの他にシンハービールも有名だけど、私はチャーンビールの方が好きである。

 

いつしか話は中東のことになっていた。中東へは行ったことがないけど、大学の専門がそちらだったので意外と話は合う。まさか唯一知っているトルコ語を披露する日がやってくるとは!でも一つでも相手の言葉を知っていると、それだけで相手との距離はグッと近くなる。というわけで私は旅行で行く国の言葉で「こんにちは」と「ありがとう」だけは言えるように覚えることにしている。

 

 

話していると、気づけば深夜3時だった。さすがに眠くなって座談会はお開きとなった。

翌日キャバレーショーを観に行こうと誘われたのに、バンコクに戻る日だったので行けなかったのが残念。

テーブルの上には何本ものチャーンビールの瓶が転がっていた。中にはお酒自体がダメな国もあるけど、たいていの国はビールならあるので飲めるとそれだけで旅の楽しみが広がる。