地球儀を回して世界100周

職場や旅先から世界をほんの少しだけチラ見してみる

「神が住む街」で過ごすクリスマス翌日

しばらく旅行には行けそうにもないけどできるだけ早く行ける日が来ることを願って、年末に行った旅行の話。

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プエルトプリンセサはフィリピンのパラワン島にある街。パラワン州の州都でもある。

パラワン島はマニラがあるルソン島の南西にあって、日本からの直行便はないので必ずマニラなどで乗り換えが必要になる。私の場合は深夜に関空を出るセブパシフィック航空の便に乗ってマニラのニノイ・アキノ国際空港へ飛んだ。日本を出発したのはクリスマス当日。フィリピンといえば1年の3分の1はクリスマスを祝っていると言われるぐらいクリスマスのイベントに力を注いでいるので、真夜中に着いたにもかかわらず空港はミニライブが行われていたりして大賑わい。

 

ところで、フィリピンのリゾートといえば有名なのはセブ島

ジンベイザメと泳げたり、世界一周を目論んだマゼランが志半ばで殺されたりしたことで有名な場所ですね。

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(セブシティにあるマゼランクロス)

 

なぜ有名なセブ島ではなく、誰に言っても大抵「それ、どこ?」と聞かれるパラワン島へ行こうと思ったのか。

私はフィリピンで日本語を教えていたことがあって、そこで学生から「フィリピンで旅行するならパワラン!」という話を聞いていた(ちなみに、その学生はセブ島出身)。何でも海が本当に綺麗らしい。特に北部にあるエルニドは1島1リゾートのホテルでのんびりしたり、アイランドホッピングで個性豊かな島々を巡ったりして、リゾートならではの楽しみ方ができるらしい。欧米人にはすでに有名な場所となっているけど、日本人旅行者はまだまだ少ない。

そして去年プーケットに行った時、同じホテルに泊まっていた女の子に「エルニドへ行くなら、本格的に観光地開発が進む前の今!」と言われて、「この冬休みはエルニドへ行こう!」と決めていた。ちょうどプーケットで体験ダイビングをした夜だったので、それまでにライセンスを取ってエルニドでダイビングをしようと思いつつ。仕事柄冬は一般的な会社より早く休みが取れるので、飛行機が高くなる年末より少し早いクリスマスの時期にフィリピンで飛んだわけである。同じ時期に台風が発生した台風のせいで、予定していたダイビングやアイランドホッピングができなくなるかもしれないというリスクとともに。笑

 

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とりあえずマニラからプエルトプリンセサへの国内線は無事に飛び、6時前にプエルトプリンセサへ到着。空港は本当に小さく、一応国際空港であるということが信じられないぐらいだった。7時になって、この旅のいろいろな場面でお世話になる「パラワンの海からhttps://palawan-traveling.com」の菊池さんと合流。ホテルまで荷物を置きに向かう車の中で、プエルトプリンセサのいろいろなことを教えてもらう。何でもプエルトプリンセサは日本で言えば沖縄のようなところで(セブ出身の学生が「パラワンが一番!」と言っているあたり、確かにそんな感じがする)、仕事なんかでマニラへ行った人が「都会には馴染めない」と言って戻ってくるような場所らしい。高層ビルだらけで渋滞の激しいマニラのことを思い出しつつ目の前の長閑な風景を見ていると、到底同じ国とは思えない。

 

プエルトプリンセサには1泊だけの予定で、ここですることといえばダイビングと街ブラ、そして世界遺産であるアンダーグラウンドリバーへ行くことだった。実はマニラから直でエルニドへ行くこともできるんだけど、あえて時間のかかるプエルトプリンセサ経由にしたのは、このアンダーグラウンドリバーへ行きたいと思っていたからだ。

 

ホテルの近く、プエルトプリンセサで一番栄えているというジャンクションのあたりから海沿いのベイウォークまで歩いてみる。途中あまりにもお腹が空いてしまい、フィリピンについて一番最初のご飯はJOLLIBEEのハンバーガーになってしまった。笑

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とにかく派手派手なクリスマスツリーとお茶目なサンタクロース。

北の方を台風が通っているタイミングだったので天気が残念だったけれど、程よく静かでマニラよりはずっと過ごしやすい街だと感じた。これがマニラだったらそこらじゅうで車のクラクションの音は聞こえてくるし、治安があまりよろしくないこともあって気を遣うことも多い。いや、そんなマニラも嫌いじゃないんだけど、常識的なレベルで気をつけていれば何とかなるというのはやはりストレスがなくていい。

フィリピンといえば!のSMモールに行ってお土産を買った後はトライシクルでホテルに戻った。

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晩ご飯はエビのガーリックバター焼き。そしてパラワン地ビール

美味しいと聞いていたレストランがクリスマス休暇でお休みだったのが残念。

州都とはいえ、そこまで夜やっている店も多くないので早めに就寝。

 

翌朝は早めに起きて朝ごはん。

アンダーグラウンドリバーへ行ってから、そのままエルニドまでバンで行くというハードな日程になっていた。そして結構早く朝ごはんを食べ始めていたはずが、途中でツアーのお迎えが来てしまって焦った…普段は遅れることの方が多いじゃんかよぉ、フィリピンさん。菊池さんも来てくれていたのでツアー会社とのやりとりはスムーズに行った。そしてこの日で私はエルニドへ行くので、菊池さんとは今日でお別れ。この後もLINEでトラブルに対応してくださったりしたので、旅行中はずっとお世話になりました。

 

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インスタ映えを意識してか、こんなオブジェクトもあったりする。

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待ち時間にはエコツーリズムとしてやっているマングローブツアーに参加したり。

というのも、アンダーグラウンドリバーへはバンカーボートで渡るんだけど、そのボートに乗るまでに結構時間がかかるため、こういうアクティビティが用意されているわけです。私はやらなかったけどジップラインもあった。最終的にはボート乗り場で待ちぼうけを喰らい、同じツアーに参加していたフィリピン人のおばあちゃんとお話しした。タガイタイ(マニラ郊外にある避暑地)に行ったことがあると言ったら驚いていた。

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アンダーグラウンドリバーつまり地底河川はかなり長い距離続いているらしいけれど、ツアーで入れるのは最初の1キロぐらい。中は静かでひんやりとした空気が漂っていて、コウモリの声とボートを漕ぐオールの音だけが聞こえていた。あと音声ガイドを借りられるんだけど、日本語版もあって、途中結構で笑いを取りに来ているのがウケた。ツアーの終盤で船頭さんがヘッドライトを消すと、洞窟の中は真っ暗!ちょっとインディージョーンズみたいな気分が味わえました。

 

それから行きに乗ったバンに乗ってサバンという街に戻り、ここでバンを乗り換える。先ほどのおばあちゃんが手を振ってくれた。

エルニド行きのバンはギューギュー詰めだった。そして東南アジアでありがちなエアコン全開。しかも私はバンカーボートに乗るときに全力で波しぶきをかぶってしまい、服がびちょびちょだったので寒いことこの上ない。それが6時間近く続く。途中雨が降ってきたので道路状況が悪いパラワン島だとかなりハードな道だった。でも途中休憩の時にみた星空はキレイだったな。

 

エルニドで泊まるホテルに連絡していた時間をとっくに過ぎた頃にようやく到着。

トライシクルを捕まえてホテルに向かい、さっさと就寝…

 

うちで踊ろう

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ブログをサボっている間に世の中がコロナ禍で大変なことになっている。日本語学校で働く私にとっても影響は大きい。なんて言っても新入生が日本に入ってこられませんから…。とはいえ以前から在籍している学生ももちろんいるので、オンライン授業などの対応が勧められている。とりあえず今すぐ食い扶持に困ることはないから、こんな世の中ではありがたい話である。

 

気付いたら桜も終わってしまった。毎年桜の時期は写真を撮るのが楽しみになるけど、今年は今より移動に制限がなかった頃に見に行った河津桜だけになってしまった。菜の花と桜のコラボレーションは一度撮ってみたかったので満足だ。写真もなかなか撮りに行けないけれど、緊急事態宣言が終わって落ち着いてきたら、まずは近所の自然から撮っていきたいと思う。

 

とは言えstay homeな生活を満喫しているのは否めない。読みたい本もあるし、水曜どうでしょうのDVDもある。

旅行の写真もまとめて製本に出したいし…

バリ旅行記もまだ書けてないし、その後エルニドにも行ったのに、このブログではノータッチ。

しばらくは出かけられないとは思うので、ゆっくり書いていけたらと思います。

また自由に動ける日が来たら、最初に行きたいのはミャンマーか台湾。

 

夏休みの目標、達成していました。

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 ずっとブログを更新したいと思いつつ、ついおざなりになっていた。

未だにおざなりとなおざりの区別がついていない日本語教師、さくらです。

忙しいという漢字は心を亡くすと書くから嫌いだけど、ここのところずっと仕事が忙しくて(というか、全国各地の日本語教師の皆さんもそうですよね?この時期)、書きたいと思う出来事はあるもののほったらかしになっていた。

 

日本語学校は9月に休みがあることが多いけど、弊校ももれなく休みがあり(とはいえ講師は仕事なんだけど)、ここで有休を消化すべく休みを取ってバリ島へ行っていた。3年ぶり、3回目のバリ。3回目とは言うけれど最初の2回はインドネシアに住んでいた時休暇で行っているので、海外旅行としていくのはこれが初めて。ングラ・ライ空港の国際線ターミナルと国内線ターミナルの格差にちょっとウケた。笑

国際線ターミナルのキレイさ!ウェルカム感!!そもそも外観からしてどう考えてもお金がかかっている。国内線ターミナルも飛行機を降りてターミナルの入り口は割れ門になっててバリっぽさは醸し出されているものの、あくまでただの地方の空港って感じなのだ。

 

もちろん観光らしい観光もしたけれど、今回の目的は何といってもダイビングだった。

ゴールデンウィークプーケットで体験ダイビングをして一念発起。大阪に戻ってからダイビングショップを探してCカードを取ることにした。その時点でバリに行くことは決めていたので(何なら最初は海洋実習をバリでしようと思っていた)、それを話すと海外で潜るならオープンウォーターだけでなくアドバンスも取ったほうがいいということで、この夏は本当にダイビングに費やした。1泊2日の和歌山での実習も2回あったし、学科の勉強もあったし。そういうわけで私はしっかりこの夏の目標を達成しておりました。

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9月のバリ、ダイバーならヌサペニダに行ってマンボウを…というところだけど、まだまだペーペーの私は初心者でも大丈夫なトランベンというところへ行った。申し込むときにライセンス取りたての初心者ということで相談すると、お勧めされたのがバリでお世話になったダイビングショップがあるサヌールから比較的近いパタンバイと、サヌールから片道2時間かかるトランベンをお勧めされた。

あまり道路事情のよくないバリで2時間の道のりはなかなか辛いものがあるけれど(空港から遠いと言われるウブドでも1時間ぐらい)、途中でライステラスが見えたり、雄大アグン山が見えたりして、道中もなかなか見所があった。

 

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なぜトランベンを選んだかというと、ここにはビーチから潜ってすぐのところにリバティ号という沈没船があって、打ち捨てられた車とか飛行機が大好きな私にはたまらなく魅力的なダイビングスポットだったからだ。ここまでビーチに近いところで沈没船が見られるというのは世界的に見てもとても珍しいらしい。2回目のダイビングでは沈没船の中へも少し入った。結構興奮する。魚も和歌山とは全然違っていて、数もびっくりするほど多かった。そして今までバリに来たのが雨季だったので、乾季になるとここまで海がキレイなのかと驚かされた。トランベンがバリの中心地から離れているというのもあると思うけれど。陸へ上がる直前には、大好きなチンアナゴの群れにも癒された。

透明度が高いせいか、そんなに深く潜っているつもりではなかったのに27m潜っていたのにはびっくりしたけど。

 

今年はまだダイビングの予定があるので、少しずつ腕を磨いてみたいところ。そして次にバリに行く時はヌサペニダでマンボウを!

その他バリ旅行記はまた今度。

コンチキチーン

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気がつけば7月も折り返しております。

 

7月と言えば祇園祭。今年はうまく連休が重なったので宵々山に行ってた。やっぱり京都は祇園祭をやっている7月の1ヶ月間が一番いいなぁと思う。意外と盛り上がる宵山山鉾巡行はほとんど行ったことがないんだけど、町に提灯がぶら下がっていて、歩いていると盆地特有の湿気が体にまとわりつく感じが何とも言えず好きだ。

 

後祭も出来ればと思っているんだけど、いかんせん天気が。今年は梅雨入りこそ遅かったけど、割としっかり雨が降る。

祇園祭が終わればいよいよ暑さが一番厳しくなる時期。

 

今年の夏はプーケットで決意した、ダイビングのライセンスを取る!

 

 

やさ男かばんとは何ぞや

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G20真っ盛りにも関わらず、大阪の日本語学校でバタバタな毎日を過ごしております。学校の前に仙台ナンバーの覆面パトカー止まってるし、駅には刺又を持った警察官がいるし。笑

 

先週末、韓国へ行ってきました。嘘みたいな本当の話です。笑

韓国へ行くのは2回目。飛行機で2時間ちょっとなので北海道へ行くのと同じ感覚で行けちゃう。

前回は真冬に行ってしまったため、底冷えのする中ほとんど明洞から出られなかったけれど、今回はカメラ撮影がメイン。

前回は行けなかった景福宮とか昌徳宮、北村韓屋村へ行きました。

 

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つい最近京都の平等院鳳凰堂へ行ったんだけど通じるものがあるし、沖縄の首里城とも近いものを感じる。

そこから連想するのはやはり中国の紫禁城だ。やっぱり中国から朝鮮半島を通り、日本や琉球に伝わった文化が多いんだろうなぁと感じた。

私の地元には百済との関わりがある史跡が多いんだけど、その百済があった韓国へやってくると、古からのつながりを再確認させられる。

 

前任校では9割近くが中国の学生だったにも関わらず、ずっと中国という国にはあまり興味を持てなかったんだけど、ちょっと行ってみたい気がしてきた。また旅行先の候補に入れようかな。

 

今回もホテルが明洞の近くにあったのでご飯を食べに行くことが多かったんだけど、前回も見かけて心の中で猛ツッコミを入れてしまったこの看板に再会しました。笑

 

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きっと優しい男性が作るか売るかしているかばんなんだろうけど、日本語でやさ男は決して褒め言葉ではない…笑

 

しかし基本的に韓国のサービス業関係者は最低限の日本語を話せることが多いし、日本語OKを売りにしている場合は基本的にレベルが非常に高い。配偶者が日本人ってパターンもよく聞くし、日本人への対応に慣れてる人が多い。

 

料理が2人前以上じゃないと頼めないことが多いのがたまにキズだけど、一人向けにサムギョプサルやタッカンマリを出してくれる店もあるし、言葉の心配が少ない点で初めてのひとり旅にはおすすめの国だったりします。

 

しかしやさ男かばん、みんなツッコミは入れるんだけど店に入ってみたという話は周りで聞かないんだよな…笑

 

 

 

 

ビール好きに悪い人はいない

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タイ旅行のお話最終回。

クラビ、ピピ島ときて最後は一大リゾート地として名高いプーケットだ。まず賑わいが違う。夜遅くなっても食べる場所や買い物する場所には困らないし、ジャングセイロンという大きなショッピングモールもあって、都会という雰囲気だ。プーケットタウンへ行くとシノポルトギーズのカラフルな建物が立ち並んでいる。お洒落なカフェもある。私が大好きなカオマンガイが美味しい店もある。

 

そしてプーケットで一番のメインイベントは体験ダイビング。

ずっとスキューバダイビングに憧れていた私はタイの海に潜ることをとても楽しみにしていた。

 

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(ほぼ誰か分からないけど私である)

 

ダイビングはもちろん素敵な思い出になったし、何なら本格的にCカードを取る決意をして最近動き出している。しかしそれに匹敵するぐらい面白かったのがプーケットの夜。ダイビングをしたコーラル島(ヘイ島)からホテルのあるパトンビーチに戻ってきた後だった。

 

パトンビーチにはバングラ通りという、夜は歩行者天国になる有名な通りがある。何が有名って、要は歓楽街である。通りの入り口に差し掛かると、いきなり見えるのは際どいコスチュームのお姉さんがポールダンスをしている店。通りを進むとドリアンみたいな服を着た客引きがいるわ、ニューハーフショーに出演するお姉様もいるわ、バンド演奏を聴かせるバーもあるわでなかなかなカオスの様相を呈している。クラビ、ピピ島と連日非常に静かな夜を過ごしていた私に取っては、幾分刺激の強い通りだ。あちこちで大音量の音楽が流れているので、耳からの情報がとても多いことに気づいた。普段からライブへ行くのが好きなので、歓楽街を歩くことには対して抵抗はない(ライブハウスは歓楽街にあることが多いので)。客引きからしれっと逃げる術も持っているし、新宿歌舞伎町なんてあの猥雑な雰囲気がどことなく落ち着くとさえ感じている。

 

というわけで決して歓楽街は嫌いではないけど、私としてはキレイなお姉さんのダンスを見たいわけでもニューハーフショーを見たいわけでもなく、とりあえず普通にご飯が食べたかったので静かそうなイタリアンの店に入ってカルボナーラを食べた。にんにくが効いていてなかなかおいしい。東南アジアでパスタ、特にカルボナーラを食べるとチーズの質のせいかハズレを引く率が多い中、この店のカルボナーラは当たりだと思った。

 

お腹を満たしてホテルに戻ると、入口で日本人の女の子に声を掛けられた。ホテルのオーナーと話しているところで、一緒に話しませんかとのことだった。

 

オーナーはトルコ人だった。バングラ通りや同じタイにあるパタヤがもともとベトナム戦争の頃に米軍の慰安のために作られた街という話から始まり、どういう訳か「日本は戦争でアメリカに負けたのに、どうしてそんなにアメリカが好きなんだ」と聞かれたりした(どうやらアメリカが嫌いらしい)。

 

女の子の方は私と同じ年頃で、職種は違えど海外で働いた経験があるところも同じだった。バックパッカー旅をしたことがあると言うので、いろいろと話を聞かせてもらった。タイはバンコクが東南アジア各地への玄関口となっていることもあって、何度も来たことがあるという話だった。話を聞いて、とりあえずエルニド(フィリピン)へは早く行こうと思った。他にもタイの北のほうとか、インドとか。あとイスラエルの話も面白かった。入国した形跡があると、イスラム教の国に入国拒否されるのが困ったところだけど、行ってみたい国ではある。こうやって話の中から次の目的地ができてくるのって面白い。インターネットやガイドブックを見ればいくらでも情報が溢れている現代だけど、やはり直接誰かから聞いた話ほど影響力の強いものはない。

 

そうこうしているとレストランを経営しているオーナーの友達がコンビニの袋を片手に帰って着た。乾杯だ、と言う訳で私も部屋からチャーンビールを持ってきた。かぼちゃの種を食べながら、どんどんチャーンビールが進む。日本で飲むとそうでもなかったりもするが、タイで飲むチャーンビールは最高である。ビールっていうのはその土地に会うようにできていると思う。例えば日本のオクトーバーフェストでドイツビールを飲むと結局日本のビールが一番美味しいという結論になりがちだけど、きっと本場ドイツのオクトーバーフェストで飲むとものすごく美味しいんだと思う。ちなみにタイのビールといえばチャーンビールの他にシンハービールも有名だけど、私はチャーンビールの方が好きである。

 

いつしか話は中東のことになっていた。中東へは行ったことがないけど、大学の専門がそちらだったので意外と話は合う。まさか唯一知っているトルコ語を披露する日がやってくるとは!でも一つでも相手の言葉を知っていると、それだけで相手との距離はグッと近くなる。というわけで私は旅行で行く国の言葉で「こんにちは」と「ありがとう」だけは言えるように覚えることにしている。

 

 

話していると、気づけば深夜3時だった。さすがに眠くなって座談会はお開きとなった。

翌日キャバレーショーを観に行こうと誘われたのに、バンコクに戻る日だったので行けなかったのが残念。

テーブルの上には何本ものチャーンビールの瓶が転がっていた。中にはお酒自体がダメな国もあるけど、たいていの国はビールならあるので飲めるとそれだけで旅の楽しみが広がる。

お届け物をしにピピ島へ馳せ参じた話

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停電の夜を越えて翌日はピピ島へ移動。元々はプーケットから現地ツアーを使って日帰りで訪れるつもりだったけど、あるきっかけがあって島で一泊することになった。

 

趣味の繋がりでタイが好きなご夫婦がいて、初めてプーケットに行くにあたり、いろいろなことを聞いていた。その中でピピ島へ行きたいと話したら、ピピ島で友達がホテルを経営しているので、プレゼントを届けて欲しいと頼まれたのである。せっかく行くならピピ島は泊まったほうがいい、何ならその人のホテルに泊まればいいんじゃないか、と言う訳で予定を変更してピピ島で一泊するプランを組み直した次第である。

 

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初めて訪れるピピ島は海も空も青く澄み渡っていた。ホテルへ行くには、フェリーが着岸するトンサイ港からさらにロングテールボートに乗る必要があった。どこかのビーチに着くと、例の友達の友達が待っていた。トゥクトゥクと呼ぶべきか、原付の横に荷台を括り付けただけの代物に乗ってホテルへ向かった。クラビも充分に田舎の空気が流れていたけれど、ピピ島ののどかさはそれをはるかに上回っていた。

 

ホテルへ着くと部屋に通された。あまり上手くはない英語で日本にいるあなたの友達からプレゼントを預かってきていると伝えて、写真を見せた。途端に笑顔になるオーナー。プレゼントはホテルのロゴが入った甚平だった。喜び勇んで着替えて(私も同じものをもらっていた)記念撮影をする。

 

ホテルにテレビはあったがリモコンを押してもうんともすんとも言わず(ついたところでタイ語はわからないんだけど)、明るいうちにビーチへ散歩へ出掛けた。ピピ島の西側にあるこのビーチにはほとんど人がおらず、私はまさに澄んだ海を独り占めすることができた。少し雲が出ていたので夕焼けはあまりキレイに見られなかったけれど、一瞬雲が真っ赤に染まった瞬間は、それはそれは美しかった。帰り道はほとんど街灯がないので真っ暗。トンサイの辺りとは違って店もほとんどない。つまり夜は本当にやることがない。結局ご飯を食べると部屋でゴロゴロして、気がつけばそのまま寝ている有様だった。でも昔はどこでも夜はそんな感じだったはずだ。同じように夜が早い(とはいえコンビニはあったけれど)クラビでもそうだったけれど、夜も忙しく何かをするという状態から離れられたのは良かった。日記を書きながら1日のことを思い返して、後はボーッとする。夜遊びも好きだけど、こういう夜があったっていい。

 

一応ホテルの周辺にレストランはいくつかあったかけど、結局昼、夜、翌朝と3食もホテルに併設されているレストランでお世話になった。昼は大好きなマッサマンカレー、夜は海老のガーリック炒め、朝はバナナのパンケーキを頼んだらバナナがなくてパイナップルのパンケーキに。どれもこれも美味しかった。朝ごはんを食べた後はオーナーが手配してくれたロングテールボートでピピ・レイ島へ。上陸こそできなかったけど、ディカプリオの映画で有名になったマヤ・ベイもみることができた。泳ぐのは得意だけど今までやったことのなかったシュノーケリングにも随分慣れて楽しめた。

 

滞在中オーナーはとても良くしてくれた。こう言う出会いがあるから旅は面白い。今度はゆっくりとピピ島に滞在したいな。

そして何より、こんな素敵なきっかけをくれた友達夫妻に心から感謝している。

 

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(オーナー、後ろ姿)